トラブルに発展する散骨の可能性

散骨と聞くと、あまり馴染みがないかみもしれませんが、それでも最近こうした葬法をする人が増えてきました。
一般的には散骨は、無宗教の人や、墓に入りたくない人などが希望するという形が多いようです。
そして、散骨の方法も色々で、飛行機の上から国内外の海や山に撒くと言う人も少なくありません。
業者と散骨を契約する場合ですが、この場合、生前に本人が業者と契約することもあり、また、相続人が契約するケースもあります。
そして、最近では、遺言書に散骨希望を明記する人もいて、それは、遺言書に記載すれば、効力が発生するからです。

散骨の方法は色々ありますが、法的に未整備な側面を抱えているので、トラブル防止のためにも、自主的に配慮しなければならないことがあります。
そのままの骨の形で散骨をすれば、後で人目に触れることになり、海に撒いた場合など、それが海岸に打ち寄せられたら大騒ぎになってしまいます。
他人の遺骨に対しては、やはり、気味の悪い物と感じるのが常なので、散骨をする場合、十分な配慮が求められます。
守らなければならない散骨の方法としては、他人の私有地には絶対に勝手に撒かないことです。
他人の私有地に許可なく散骨するというのは、もっとも周囲の人の神経を逆なでする行為になります。

散骨をする場合、仮に所有者の許可があっても、隣近所の目の及ぶところでするのはよくありません。
また、散骨の方法で忘れてはならないのが、遺骨は必ず粉末状にしておくことで、その点は注意しなければなりません。
散骨をする場合、どんな方法でするにせよ、実施費用、遺骨の粉末化費用、証明書発行費用などがかかります。
また、遺骨の一部はお墓に入れ、一部を散骨するという方法をとる人もいます。
ただ、散骨を遺言書で希望したとしても、実際には法的効力は発生しないので、相続人は絶対に応じなければならないというわけではありません。