カラーポリッシュとペディキュア

さっきから夢中でペディキュアについて語り合っている二人が手にしているのは固定電話の受話器。

ペディキュア全てが高価だとは限ってはいないが、たった一つで父の給料の3分の1程度するものもすくなくない。
因みに、電話の向こうの叔母さんというのは母の双子の妹で、ともに50代前半の専業主婦、本来ならペディキュアのような高級品に関心を持つべきではない身分かも知れない。
にも関わらず世の中全体の波には今イチうまく乗れないらしく、揃ってアナログ人生を歩み続けている。
それに何より、この二人にはもう少しデジタル化して、ネットやメールを楽しむようにしてもらいたいものだ。
母と叔母さんのペディキュアに対する思いは立派なものだとは思う。
本日の話題はどうやらペディキュアの今年の新作についてらしい、二人ともファッションの流行には中々敏感ですぐに興味を示すのだ。
お互いショッピングモールやデパートへ足を運んでは、随時新しい情報を入手し、こうして電話でこうかんしているらしいのだ。
まあ、電話でしゃべっている位、安いもの、ペディキュアを買われる事を思えばましだと父は笑いながらさっき散歩に出て行った。
それに何と言っても、ペディキュアの今年の新作は高過ぎ、ただですらも家計が苦しいこの時期に手が出さる訳ないじゃない。
今日も又、我が家ではすっかりおなじみの母と叔母さんのロングトークが展開している。ペディキュアの今年の新作もいいわねぇ、いかにもっていう感じで、シンプルだけどゴージャスで、しかもどことなく可愛いのよね。
見たわよ、昨日デパートのペディキュアの売り場で、一番目につく所にディスプレイされてた。
パソコンを使えるようになれば二人の世界もきっと広がるだろう。